【東京五輪】小中学生観戦〝別枠〟の理由 武藤氏「引率者のご判断で感染リスク低減できる」

観戦プログラムの目的は「次の世代に感動を体験していただく」ことだとか

東京五輪・パラリンピック組織委員会、国際オリンピック委員会(IOC)、日本政府、東京都、国際パラリンピック委員会(IPC)の代表らによる「5者協議」が21日、オンラインで行われ、閉会後に組織委の橋本聖子会長(56)、武藤敏郎事務総長(77)が会見を行った。

この日は観客上限数について協議され、全会場において「50%以内で最大1万人」とする方針が決定。だが、この数字以外の〝別枠〟が幾つか設けられている。まず、国際競技連盟(IF)やIOCメンバー、国内外のスポンサーなどは「運営関係者であり、観客ではない」(武藤事務総長)とされた他、「学校連携の児童生徒・引率者についてはその性質に鑑み別途の取り扱いとする」と共同ステートメントに記載されている。

学校連携観戦プログラムとは、都内の小中学生らに五輪観戦の機会を提供するもの。新型コロナウイルス禍の前から計画されており、武藤事務総長は「次の世代に感動を体験していただく。64年(の東京大会)当時、いまだに見た人たちが一生の思い出として語り継がれている。そういう大会の意義を小中学生に伝えていくことが大事だという発想です」と説明。その上で「決して動員をかけるものではない。教育委員会や学校の判断で、見に行きたいという場合に適応されるもの。そうだとすれば、その人たちを全体の枠の中で振るい落とすのではなく、別枠で扱うことが妥当ではないか」と話した。

夏休みの期間だけに、児童や生徒が「人流」に加わり感染リスクも懸念される。これについて武藤氏は「学校連携の場合には引率する人がお連れして来る。競技会場でも団体券で一斉に出入りができ、密にならないよう時間差で入退場。引率する方のご判断で様々な感染リスクを低減する対策が取れる」と語った。

なお、当初は小中学生81万人が対象とされていたが、各地でキャンセルが続出。個人の判断で参加しなかった場合は「欠席」となるとの報道もあったが、東京都教育委員会の担当者は本紙の取材に「授業日扱いになれば行かないと当然欠席になるが、授業日の設定については学校の実態に応じて、校長先生の方で判断していただきたい」とコメント。観戦を希望した学校が「授業日」として設定するか否かは、あくまで各学校の校長の裁量だとしている。

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