「開港450年めぐり」出版 長崎のライター・下妻さん 時代追い歩いた体験つづる

「ながさき開港450年めぐり」を出版した下妻さん=長崎市内

 長崎市のライター下妻みどりさん(50)が、450年前の長崎開港から現代までの歴史や文化について、時代を追ってつづった「ながさき開港450年めぐり」を、長崎文献社から出版した。「殉教」や「鎖国」、「原爆」などをキーワードに、時代を五つに分けてまち歩きコースを設定。実際に歩いた体験をエッセーにまとめた。長崎の街並みを描いた同市出身の版画家、田川憲さん(1906~67年)の作品も彩りを添える。
 長崎は1571年の開港から貿易都市として発展し、国内外との交流を通じて独特の歴史や文化が生まれた。下妻さんは、キリシタンや出島、原爆などの特徴的なテーマを深く掘り下げるより、450年の歴史を一続きにたどることを試みた。「長崎は特別なできごとがいくつもあり、歴史を知るにも一つのテーマに特化しがち。通史として時系列に沿ってまちを歩くことで、それぞれの時代を生きた人々の思いを感じたかった」と語る。
 まち歩きのコースは、風頭公園から寺町や思案橋を通って出島を目指す「鎖国時代と和華蘭文化」や、大浦天主堂やオランダ坂、爆心地公園などを巡る「開国~信徒発見~近代化~原爆」など。エッセーはコース上の歴史や史跡を解説しながら、実際に歩いた下妻さんの気付きや感想もつづっている。コースを案内する地図や現場の写真、各ポイントに関係する田川さんの版画作品も掲載した。
 B5変型判。定価1650円。問い合わせは長崎文献社(電095.823.5247)。

 


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