害虫「ミカンコミバエ」に注意! 繁殖の恐れ 長崎県内で発見相次ぐ

ミカンコミバエ(農林水産省ホームページより)

 かんきつ類などに産卵し食害を発生させる害虫ミカンコミバエの成虫が、本年度に入り長崎市近郊などで相次いで発見され、県などが注意を呼び掛けている。県農産園芸課は「熟した果実が産卵場所になり、繁殖する恐れがある。落ちたり採り残したりした実は放置しないでほしい」としている。
 ミカンコミバエは体長約7ミリ。中国や台湾に生息しており、5月ごろから梅雨前線や台風に乗って飛来するとみられている。
 同課によると、県内では昨年8月に初めて成虫1匹が捕獲された。その後確認されていなかったが、今年5月25日~6月18日にかけて長崎市や西彼時津町などで計14匹が見つかった。
 県は、農林水産省門司植物防疫所福岡支所長崎出張所の指導の下、関係市町などと連携。捕獲場所を中心として半径5キロ圏内の木の枝に、雄の成虫を誘い駆除する薬剤を染み込ませた木板を設置する作業を続けている。
 ミカンコミバエは、かんきつ類以外もキュウリやウメ、トマトなど多様な種類の作物に産卵。1匹が1日で約20個産み、繁殖力は高い。同課の担当者は「農家以外の家庭菜園でも、落ちた果実は土中に埋めたりビニール袋に入れて処分したりしてほしい」としている。


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