停滞する王者・ソフトバンクが「遠征効果」で逆襲モードに!

柳田が16号2ランを放ち、試合を決めた

王者が遠征効果で態勢を立て直すかもしれない。ここ7試合勝ちなしと停滞していたソフトバンクが、22日のロッテ戦(ZOZOマリン)に6―4で勝利。初回に先頭・三森が初球から三塁打を放つと、続く中村晃の犠飛で先制。3回は柳田の犠飛、4回は今宮のチーム47イニングぶりの適時打で加点した。

7回には5月8日以来の3番に座った柳田が16号2ランを放ち、試合を決めた。前カードの日本ハム3連戦で合計11安打と低迷した打線が天敵・二木から11安打を放って粉砕。三森が3安打、不調の松田が13試合ぶりの複数安打、今宮がタイムリー欠乏症に終止符、柳田が2戦連発、新外国人レイが来日初白星など収穫大だった。工藤監督も「いい点の取り方だった。この勝ちは非常に大きい」と、低迷打破につながる1勝を喜んだ。

21日に千葉入りしたチームにとっては6月6日以来の遠征だった。今月の勝率3割、チーム打率2割と低迷した中で迎えた千葉―仙台―大阪と続く長距離遠征。一見、気が重たくなるようにも捉えられるが、チーム内やOB陣からは実はこんな声が上がっていた。「2週間ずっと福岡の自宅で過ごした選手にとっては、いい切り替えになるんじゃないかな」。

OBでもある球団関係者は〝その心〟をこう解説していた。「月の半分は家にいない生活をしている家族持ちの選手は特に、福岡に戻ると家族へのサービス精神が強くなる。『普段いないから…』と、子供が小さいところはナイターでも早起きして幼稚園の送迎だったりね。好きでやってるんだけど、知らず知らずゆっくりできていなかったりする。でも遠征先だと、このご時世もあって部屋で一人。睡眠もしっかり取れるし、無意識に野球漬けの生活になる。この遠征で状態が戻ってくる選手もいるはず」。

現場目線で見方を変えれば「長期福岡滞在」からの「連続遠征」は、好条件とも受け取れるというわけだ。結果は見立て通りの好スタート。鷹の逆襲が始まりそうな気配だ。

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