【詳報】糸魚川市長選 部課長に投票依頼 「選挙情勢説明し、頼むね」 藤田副市長が釈明 市議会総文委

 4月18日に執行された糸魚川市長選で同市の藤田年明副市長が市職員へ現職候補の米田徹市長に投票を依頼したとされる事案について、藤田副市長は部課長ら約15人に庁舎内で声を掛けたことを認めた。一方で「選挙情勢について説明をしたが、米田市長に投票してとは決して言っていない」と釈明、現職市長の名前を挙げた投票依頼の言動はなかったとした。24日の市議会総務文教常任委員会で答えた。

市議会総務文教常任委員会で職員に市長選投票依頼をしたことを説明する藤田副市長(右)

 藤田副市長は22日の市議会一般質問で古畑浩一氏の質問に対して、一部職員に市長選の投票依頼の声掛けをしたことを認める発言をした。古畑委員は地位利用の選挙違反に当たると指摘し、同日の委員会で「選挙情勢をどう語ったのか。いつ、どこで、誰に」と追及。藤田副市長は「『今回の選挙はかなり拮抗(きっこう)して厳しいようだ』と話したと思う。確かな細かな記憶はない」と答えた。この答弁を受けて声掛けをしたとされる部課長15人の委員会出席が求められ、9人が出席。このうち2人を除いて全員が始業前などに「頼むね」と言われたことがあった、または聞いたとし、6人が米田市長の応援と認識した旨を示した。

投票依頼を受けたとされる部課長が急きょ出席して委員の質問に答えた

 市選挙管理委員会は25日に緊急の委員会を開く。対応を協議し、今後、副市長、職員に聞き取り調査をする。警察にも相談するとしている。

市民らに不信高まる

 市職員が逮捕、起訴された官製談合事件で行政の信頼回復に努める最中での発覚となった。市内の40代会社員は「談合があったばかり。度重なる不祥事で一体糸魚川はどうなっているのか」と憤った。40代市職員は「綱紀粛正を言う幹部が何をやっているのか。おかしいことをおかしいと言えない内部もどうなのか」と不信感をあらわにした。

© 株式会社上越タイムス社