電光石火の一撃だ。エンゼルス・大谷翔平投手(26)は25日(日本時間26日)の敵地レイズ戦に「1番・指名打者」で出場。24号の先頭打者本塁打を含む4打数2安打1打点の活躍を見せた。
大谷の怪物史に新たな歴史が刻まれた。先頭打者アーチは自身初。今季2度目の1番スタメンでいきなり、敵地セントピーターズバーグを震撼させた。初回、相手先発キトレッジが投じた3球目のチェンジアップを、右中間にあるスコアボードのさらに上にある作業用通路まで軽々と運んだ。
この一発は飛距離453フィート(約138㍍)、初速161・1マイル(約187キロ)。ともに今季2番目の数値で、地元テレビの実況アナウンサー、マット・バスゲルシャン氏とエンゼルスOBでMLB132勝の解説者、マーク・グビザ氏は「あそこは(スタジアムの)電球を変えに行く遅い通路だよ」「彼はまるで別の惑星の人物だね」「このスタジアムは球が飛ばないはずなのに!」と驚きの声を上げる衝撃弾だった。
エンゼルスのマドン監督も試合後「私は何度もこの球場に来ているけど、あんなに飛んだ球を打撃練習でも試合でも見たことがないよ」と試合を3―4で落としながらも、興奮が収まらなかった。
3試合ぶりの24号はこの時点ではブルージェイズのウラジミール・ゲレロ内野手(22)に並んでア・リーグトップとなったが、ゲレロもこの日のオリオールズ戦で25号を放ち、再びリードされた。
3回無死二塁の好機で迎えた第2打席では一塁線へ絶妙のバント安打。先頭打者ホームランを放った次の打席でバント安打を決めたのはエンゼルスでは2009年のショーン・フィギンズ以来で、大谷はこの試合のトヨタ賞(トヨタ・プレーヤー・オブ・ザ・ゲーム)を獲得した。
なお大谷の次回先発は30日午後7時5分(日本時間7月1日午前8時5分)開始予定の敵地でのヤンキース戦となった。