赤米伝承3県 対馬、岡山、鹿児島 児童らリモート交流 クイズ、食べ比べなど

茎永地区の赤米を食べる児童=対馬市、豆酘小

 古代米「赤米」が神事とともに伝承されている長崎県対馬市豆酘(つつ)地区など国内3地域の児童が、互いの地域の赤米文化についてテレビ会議で学ぶ「赤米子どもリモート交流」が25日開かれ、相互理解を深めた。
 同市教委などによると、赤米が伝承するのは現在、豆酘地区、岡山県総社市の新本(しんぽん)地区、鹿児島県南種子町の茎永(くきなが)地区のみ。豆酘地区では、神田で収穫した赤米を俵に詰めて家屋の天井につるし、あがめる神事を頭仲間と呼ばれる住民が続けてきた。現在、継承者は農業の主藤公敏さん(70)一人だけ。
 リモート交流は、3市町でつくる「赤米伝統文化連絡協議会」が企画。対馬市厳原町の市立豆酘小(福田一毅校長、23人)と総社市立新本小、南種子町立茎南(けいなん)小をオンラインで結び、各校の5、6年生計33人や、協議会顧問の歌手相川七瀬さんらが参加した。
 児童らは、各地区の稲穂の特徴を知るクイズなどで交流。相川さんの解説で、茎永地区は他よりも背が高く、豆酘地区は赤いことなどを学んだ。用意された茎永地区の赤米と白米を食べ比べ「赤米の方がぷちぷちしている」と食感に驚いていた。豆酘小5年、内山長(たける)君(11)は「大人になったら島外の人にも赤米のことを広めたい」と話した。

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