糸魚川市防災訓練が27日、同市上刈4の市民総合体育館で行われた。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、全市一斉の避難訓練が中止となり、代替として感染防止対策を考慮した避難所設営訓練を実施。地元の上刈区、市消防団と市消防防災課・市民課、市議会の代表と一般住民の総勢50人が、避難所設営訓練、感染症対策物品確認、避難者受入訓練に参加した。
国の災害情報の運用が5月20日に変更、従来の「避難勧告」が廃止となり「避難指示」に一本化された。会場には、この変更に関する説明掲示の他、避難所配備品、自主防災組織・上刈防災会の活動報告などのコーナーが設けられた。
避難所設営訓練では、通路や避難スペースの設定、段ボール間仕切りや段ボールベッド、テントなど、避難用資機材の設置を体験。感染症対策物品確認では、ガウン、使い捨て手袋、フェースシールドなどの着脱手順を実演した。
避難者受入訓練では、検温で発熱あり、感染の疑いのある人を振り分け、誘導する手順を実践した。
講評で米田徹市長は、今年に入り豪雪、来海沢地滑りと災害が続き、コロナ感染防止の課題も加わる中で「いつ何時起こるかも知れない災害への備えは重要」とし、「(本日の)取り組みを全市に広げ、コロナ対策につなげていければ」と協力を呼び掛けた。
上刈防災会の石塚利克会長は「コロナ禍での特別な訓練は初めて。感染防止をし、人との距離を保ちながらの避難所設営を体験できた。周知徹底し、安全対策が取れるようにしたい」と成果を話した。