東京五輪に臨む野球日本代表・侍ジャパンの〝初陣〟が決まった。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は28日、東京五輪の野球競技で1次リーグに出場する6か国代表チームの組み分けとオープニングラウンドの試合日程を発表。世界ランキング1位の日本はグループAに入り、7月28日の開幕戦で7位のドミニカ共和国と福島・あづま球場で対戦し、同月31日に横浜スタジアムで5位のメキシコと戦うことになった。
オープニングラウンドのグループ分けは世界ランキングに基づいて行われ、一方のグループBには3位の韓国、4位の米国、24位のイスラエルが入った。
そして、このオープニングラウンドは各組3か国の総当たり戦。各組で順位を決めた後、全チームが〝敗者復活戦〟も含まれる変則的な決勝トーナメント「ノックアウトステージ」(8月1日~)へと進み、同月7日に横浜スタジアムで行われる決勝戦進出を争う。初戦から5連勝すれば最短で金メダルへ到達するが、仮に一次リーグで連敗しても即座に敗退とはならない。理論上ではあくまでも展開次第だが、最多の試合数で7戦4勝3敗となっても金メダルに輝くことが可能だ。
侍ジャパンが最初に戦うドミニカ共和国にはMLBのフリーエージェント(FA)組を中心に強力な本大会メンバー候補が揃う。メジャー通算344本塁打を誇り、これまでブルージェイズなどで2度の本塁打王にも輝いたホセ・バティスタ外野手(40=前フィリーズ)、さらに2012年に首位打者に輝き、ヤンキース時代には松井秀喜氏ともチームメートだったメルキー・カブレラ外野手(36=前パイレーツ)ら大物が米大陸予選に出場しており、東京五輪メンバーとしても正式登録されるのはほぼ確実だ。
また、2015年に巨人でプレーしたホアン・フランシスコ内野手(33)も同国代表の主力として活躍。米大陸予選では「4番・一塁」で主に出場し、初戦のベネズエラ戦で2ランを含む3安打5打点を叩き出すなど強烈なインパクトを残している。MLB関係者の間からは「巨人時代とは完全な別人」との寸評も出ているほどだ。
このドミニカ共和国については「一旦、火が付いたら手が付けられないような打線。バティスタやカブレラはさすがに全盛期のような力はないが、まだまだ十分にプレーできる超一流打者だ。戦う相手としては余りにも強大なチームと言える」と早くも侍ジャパン関係者の間から警戒する声が出ている。
果たして稲葉監督率いる侍ジャパンは数々の関門を突破し、大目標の金メダルを手にすることができるか。