松浦市とエミネントスラックス 工場移転で立地協定

堂山工業団地に新工場立地で協定書に調印した友田市長(右)と高野会長=松浦シティホテル

 長崎県松浦市は28日、同市志佐町の堂山工業団地に工場移転を計画しているエミネントスラックス(前田周二社長)と立地協定書に調印した。同社は今年10月にも新工場建設に着手、来年7月から操業を開始する予定。総投資額は約17億円。
 同社は市の企業誘致第1号として1969年に志佐町浦免に工場進出。スラックス専業メーカーとして高い縫製技術を有し、近年はオリジナルスーツブランド「ウエストリー」を立ち上げ、事業の幅を広げている。約200人の従業員のほとんどが地元採用。
 現工場は手狭で、創業から50余年がたち老朽化が進み耐震性に難があるほか、志佐川沿いのため洪水の際の浸水が懸念されていた。
 堂山工業団地は広さ約1万3600平方メートル。市が県外の企業誘致を目的に約2億円をかけて2017年から造成したが、立地企業は決まらず、移転先を探していた同社に売却することにした。市は宅地分約9800平方メートルを土地の評価額(1平方メートル6千円)に応じて約5880万円で売却。のり面部分約3800平方メートルは無償譲渡した。
 新工場は建物面積約7300平方メートルの鉄骨造りで、建設費は10億円。メンズ・レディースパンツ、医療用衣服などを製造する。生産高は年10億円を見込んでいる。新工場建設で市内から10人を新規雇用する予定。
 調印式は市内のホテルであり、友田吉泰市長と高野圭右代表取締役会長が協定書に調印。高野会長は「地球環境に配慮した地域共創共生型の工場にしていきたい」と話した。

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