【東京パラ陸上】メダル候補・喜納翼「世界に羽ばたける翼に」名前の由来通りの走りなるか

オンライン取材に応じる喜納翼

東京パラリンピック女子車いすマラソン代表(T54)の喜納翼(31=タイヤランド沖縄)が29日、オンライン取材に応じ、順調な調整ぶりをアピールした。

喜納はバスケットボールで中学、高校と県代表に選出された実力者だが、大学1年時にトレーニング中の事故で脊髄を損傷し、車いす生活を強いられた。当初は車いすバスケットボールに取り組んでいたものの、下地隆之コーチとの出会いがきっかけで陸上をスタート。転向後は優れた運動神経を十二分に発揮し、一昨年には1時間35分50秒の日本新記録をマークした。

東京パラリンピックでもメダル獲得が期待されるが、新型コロナウイルス禍の影響で拠点の沖縄県は現在も緊急事態宣言が発令中。それでも、喜納は「競技場は閉まっていて走れない状況が続いているが、ローラートレーニングができる環境があるので、今はローラーを回しながらトレーニングをしている。梅雨の時期でロードのトレーニングにも行けないが、着実に距離は走れている」と前向きに練習を行っている。

マラソン種目は最終日の9月5日に実施される。本番まで残り2か月あまりとなったが「特別心境の変化はない。毎日淡々とトレーニングをこなせている」と自信をのぞかせた。

名前の「翼」は、父親が「世界に羽ばたける翼になってほしい」との思いから名付けられた。大舞台では名前の如く、世界で羽ばたく覚悟だ。

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