矢野阪神の今後を左右する週末の「デーゲーム広島戦」 連敗なら〝負の神話〟に

連敗を止めた阪神。気になるのは〝週末〟の行方だ

迫る巨人以上に断ち切っておきたいものは…。元監督の故野村克也氏の追悼試合として行われた29日のヤクルト戦(甲子園)に、首位・阪神は5―3で快勝。連敗を「3」で止めた。前カードのDeNA戦では今季初の同一カード3連敗を喫しただけに、指揮官の矢野燿大監督(52)もホッと一安心。ひとまず嫌な流れをツバメ軍団とのカード初戦で断ち切った今週の阪神で、もうひとつ気になるのが〝週末〟の行方だ。

1点を先制された直後の2回、二死からの7連打でヤクルト・田口をつるべ打ちにして一挙5得点。矢野監督も「ここのところ点を取れなかったし、ああいう繋がりのあるところがウチの野球でもあるんでね」と久々の攻撃陣の集中打にご満悦だ。このリードを先発・青柳から岩崎、スアレスの鉄板継投で守り抜き、連敗を脱出した。

まずはカード頭で連敗脱出の価値ある1勝となったが、2位・巨人とは変わらず2・5ゲーム差。再び首位を盤石にする当面の目的となりそうな阪神で、五輪の休止期間に入るまでに、是が非でも断ち切っておきたい〝宿題〟も浮上している。

それは今週末の3、4日に行われるデーゲーム広島戦。開幕以降、首位を走った躍進の要因として挙がるのが、1950年の中日以来となる1分けを挟んだ16連勝の球界最多タイのデーゲーム連勝神話だ。しかし、この進撃が今月5日のソフトバンク戦でストップすると、リーグ戦再開後の19日の巨人戦から現在まで昼間の一戦は4連敗中。本拠地・甲子園に限れば、6連敗中と神話崩壊後は逆にジンクスとなっている状況だ。

もちろん、5月までの「デーゲーム貯金」はまだたんまりあり、通算で18勝6敗と〝昼の虎〟を本格的に心配する状況にはない。とはいえ3、4日の広島戦は球宴前最後のデーゲーム。その後は五輪休止期間が明けた後の8月21日の中日戦まで、デーゲームは組まれてはいない。週末の広島戦で連敗を喫すれば、今度は逆に、デーゲームが負の神話にもなりかねず、さらに今年は休止期間があるがゆえ、1か月半の間も「負の事実」と向き合うことにもなる。

矢野監督もデーゲーム神話が「連勝」で続いた時期には「何でって言われてもそれは俺らにも分からないけど、いいことは続くように、その逆はすぐに修正できるようにと。考えているのはそれだけ」と話していた通り、その逆は、いち早く断ち切りたい。

すでにシーズン前半戦勝ち越しを決めるなど、収獲要素の多い〝折り返し〟が見えている今年の猛虎。後々の戦いも踏まえ、マイナスのファクトを持ち越すことなく、さらにそぎ落としておきたいが…。

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