サッカー・U―24韓国代表がA代表のエース孫興民をOAで選ばなかった理由とは?

孫興民(ロイター)

東京五輪に臨むU―24韓国代表メンバーは先月30日に発表された。そのリストにオーバーエージ(OA)枠で選出が有力視されていたA代表のエースFW孫興民(28=トットナム)の名前はなかった。

五輪は所属クラブに選手派遣の義務はないが、かねて出場を熱望していた本人がクラブにかけあって許可を得ていたと伝えられていたにもかかわらずだ。

そんな中、韓国紙「スポーツソウル」など複数の同国メディアはU―24韓国代表の金鶴範監督(61)が孫を選外とした説明を報じた。

まず指揮官は「孫の申し出はありがたかった。本人が出場の意志を見せ、直接クラブに電話をして承諾を得てくれたし、招集を許可してくれたトッテナムにも感謝している。それだけに本当に申し訳ないことをしてしまった」と謝罪した。

その上で「彼を選んだ方が簡単だったのかもしれないが、それでも選ばなかったのは我々が守らなければならない選手だからだ。長期的視点に立てば、五輪代表の活動で酷使させるのは適切ではない。ケガでもしてしまったら私が責任を負うこともできないし、来季やW杯にも影響が出る。一晩中、悩んだ末に決断した」と説明した。

こんな経緯で孫不在を決勝トーナメントで実現の可能性がある日韓戦などで負けたときの言い訳にすることはないだろう。U―24韓国代表のOA枠にはJ1G大阪でプレーした経験を持つFW黄義助(28=ボルドー)らが選ばれている。

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