鷹・小久保ヘッド「しつけが大事」期待の谷川原に連日ロックオン

8回、タイムリーヒットを放った谷川原

売り出し中の男がロックオンに応えた。ソフトバンクの6年目・谷川原健太捕手(24)が、6日のロッテ戦(ZOZOマリン)でアピールの一打を放った。この日は5試合ぶりにスタメンを外れて7回に代走で出場。8回一死二塁で回ってきた唯一の打席で中前へ適時打を放った。

チームが大敗を喫した試合で、与えられたチャンスをきっちりモノにした。「とにかく1本と、1打席に集中するだけでした」。本職は捕手ながら非凡な打撃センスと俊足、強肩で内外野をこなすユーティリティー性が強み。先月19日に一軍昇格すると、ここまで外野を主戦場に先発出場の機会も多く、着実に頭角を現している。

注目の若鷹であるのは、試合前練習中のある人物の熱視線で分かる。小久保裕紀ヘッドコーチ(49)だ。最近は谷川原の打撃練習を真横でじっと見つめ、練習終わりに身ぶり手ぶりで助言を送るシーンが目立つ。「春のキャンプよりも全然よくなっている。まだまだもったいないところもあるけど、成長のスピードが速い」。そう言って目を細めた小久保ヘッドは、指導に熱が入る理由を次のように明かした。「彼にしろ、佐藤(直樹)にしろ、栗原をはじめ、彼らは次の世代のホークスを継いでいかないといけない。その辺は技術的なところも含めて〝しつけ〟が大事だと思っています」。3年後、5年後に屋台骨を支える野手育成は急務。〝しつけ〟という独特の表現には、大きな期待が込められている。

試合後「今、練習で小久保ヘッドコーチにアドバイスをいただいて取り組んでいることを試合で出すことができました」と振り返った谷川原。一軍でもまれながら飛躍のスピードを上げていく。

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