渡邉美樹氏が西村担当相に激おこ「だったら飲食店がルールを守るように仕組み作りなさいよ」

ワタミの渡邉美樹会長

ワタミ株式会社の渡邉美樹会長が8日、同社が運営するテイクアウトのから揚げ専門店「から揚げの天才」100店舗達成セレモニーに出席。突然、1都3県に緊急事態宣言を発令することを決めた政府に対し、怒りのコメントを発表した。

東京都の新規感染者数が900人超えとなった7日夜、政府は12日から東京都に緊急事態宣言を発令することを固めたとの速報が一斉に流れた。これで4度目の緊急事態宣言となり、新型コロナ感染拡大の〝戦犯〟扱いをされてきた飲食店は、再び厳しい対応を迫られることになる。

これに怒りの声を上げたのが渡邉会長だ。セレモニー開始の冒頭、自らマイクを取ってステージに立つと、「非常に大きなダメージを受ける。緊急事態宣言が出た瞬間に、うちは月間で4億円の赤字になる。でも、状況から緊急事態宣言は出さざるを得ないと思う」と理解は示したが、その後、口を突いて出てきたのは政府と東京都に対する不満の数々だった。

まずは「緊急事態宣言を出すなら、ちゃんと緊急事態にしていただきたい。いつまでたっても街には人があふれている。百貨店はいい、映画はいい、それって緊急事態ですか?」と、人流を抑えきれていない状況に不満をぶちまけると、次は「どんなに休業したり時短命令に従っても、『酒出します、通常営業します』って営業して超満員の店はいっぱいある。政治家はもっと足を使って街を歩いて、実態を見るべきですよ」と、抑制的ながら滲み出る怒りは隠せない。

さらに4度目の緊急事態宣言が突然決まりそうなことには「3日前に言われたって飲食店は対応できないですよ。勘弁してくれって。せめて1週間前には言ってくれないと」と、抑えきれない怒りに満ちた言葉があふれ出た。

渡邉氏の怒りはまだ収まらない。西村康稔経済再生担当相が2日に、飲食店の感染対策をグルメサイトを使ったアンケート方式で客が評価できる仕組みを導入すると発表したことを聞かれると、「お客さまは自分が飲食していながら、店の感染対策が不十分だと言いつける。これは人間としておかしい!」と、導入に猛反対だ。

続けて「西村さんに言いたいのは、だったら飲食店がルールを守るように仕組み作りなさいよってこと。そんな密告制度みたいなもの作って日本人の人間性を悪くするよりも、ちゃんと仕組み作ればみんなが守る。今は時短命令に応じなくても過料はたった25万円。そんなんじゃ意味ないじゃないですか。250万円でも2500万円でも過料を科せば、そんなことをする店はなくなる」と、違反した飲食店に厳しい過料を科す〝対案〟を提案した。

コロナ禍で厳しい飲食業界に身を置く元国会議員の渡邉会長の怒りの声は、政府与党にどれだけ響くのだろうか?

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