長崎県内倒産 過去最少 2021年上半期16件 支援策奏功か

 東京商工リサーチ長崎支店が9日発表した2021年上半期(1~6月)の県内企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年同期比9件減の16件で1971年の集計開始以降、最も少なかった。負債総額は46億4700万円。6月に34億円の大型倒産があったため、前年同期から48%増。新型コロナウイルスの影響に伴う倒産は7件だった。
 件数が最少の理由について、同支店は「コロナ禍の中、金融機関がリスケジュールなどで下支えし、企業は国や自治体の各種支援策を活用しているため」と分析。今後の見通しは「緊急事態宣言下での五輪開催で感染が拡大すれば、県内企業にも観光、飲食を中心に影響が出て、廃業、倒産する企業が増加することが予想される」としている。
 原因は「販売不振」が10件で最多。業種は不動産業、飲食業などのサービス業が6件、製造業、卸売業、小売業が3件ずつで続いた。従業員規模は1~4人が12件で全体の7割超、資本金規模は1千万~1億円未満が6件と最も多かった。
 6月単月の倒産件数は4件。民事再生法を申請した製造業「九州電通」(大村市)の負債額が今年最大、34億円の大型倒産となり、負債総額は37億2700万円だった。


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