【名古屋場所】白鵬&照ノ富士 ケガ抱えても2強…進まぬ世代交代 角界に未来あるのか

照ノ富士(中)の取組を凝視する白鵬(右)

土俵の充実からは程遠い? 大相撲名古屋場所10日目(13日、愛知県体育館)、6場所連続休場明けで進退をかける横綱白鵬(36=宮城野)が幕内隠岐の海(35=八角)を危なげなく寄り切って初日から10連勝。綱取りに挑む大関照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)も幕内千代大龍(32=九重)を一方的に寄り切って無敗を守った。全勝は2人に絞られ、優勝争いは一騎打ちの様相を呈している。

一方で、ふがいなさが目立つのが他の上位陣だ。芝田山親方(58=元横綱大乃国)は「もっと攻防がほしい。一方的でしょ。白鵬も余裕のよっちゃん。照ノ富士も綱取りの重圧とか感じてないんじゃないか。将来の大相撲はどうなっちゃうの。2人とも稽古十分ではないはずなのに…。稽古十分な人が何をやっているのか。負けるにしても動き回ってさ。攻防が失われている。手に汗も握らない」と苦言を呈した。

白鵬は3月に右ヒザの手術を受け、照ノ富士も両ヒザに古傷を抱えて満足な稽古ができていない。必ずしも万全ではない横綱大関に歯が立たない現状に、芝田山親方は「みんな自分の席(番付)を守るのに精一杯。(白鵬、照ノ富士との)差は詰まってないといけないのに、そうじゃない」と嘆くばかりだ。白鵬は言うに及ばず、照ノ富士もベテランの年齢に差し掛かりつつある。「世代交代」は夢のまた夢ということか。

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