「平和文化の振興」日常生活で行動を 核廃絶へ新たな指針 平和首長会議

 長崎市は13日、非政府組織(NGO)平和首長会議の核兵器廃絶に向けた新指針と、それに基づく5カ年の行動計画を発表した。新指針の名称は「持続可能な世界に向けた平和的な変革のためのビジョン(略称PXビジョン)」。前回指針にはなかった要素として、市民一人一人が日常生活の中で平和について考え行動する「平和文化の振興」を盛り込んだ。
 被爆75年の昨年までに核兵器廃絶を目指した行動指針「2020ビジョン」は終了。7日、オンラインで開いた理事会で新たに策定した。
 新指針は核廃絶の期限は設けていない。「核兵器のない世界の実現」「安全で活力ある都市の実現」は前回を踏襲し、平和文化の振興を加えた。国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえ、飢餓・貧困や環境問題などにも取り組むと明記した。
 行動計画は、核保有国など各国に核兵器禁止条約の批准を要請。芸術やスポーツなどの啓発イベントを開き、市民と協力して平和文化を社会に根付かせる。
 市平和推進課は「市の意見も反映したビジョンで、しっかり取り組んでいきたい」としている。
 平和首長会議は、核兵器のない世界を目指し1982年に設立した。現在、165の国・地域の8037都市が加盟。広島市長が会長、長崎市長が副会長を務めている。

© 株式会社長崎新聞社