鷹のエース・千賀が五輪出陣へ胸中激白「逃げられない状態に来た」

侍ジャパンで活躍が期待される千賀滉大投手

鷹のエースが覚悟を決めた――。東京五輪代表のソフトバンク・千賀滉大投手(28)が、代表合宿参加を前に胸中を激白。「非常に難しい気持ちですが、とにかく今、僕は逃げられない状態に来た。『これで大丈夫だ』というものを作り上げることが大事。一日一日を大事に過ごしたい」と自らを奮い立たせるように、日の丸を背負う強い覚悟を示した。

五輪代表に追加選出された鷹のエースは、左足首靱帯損傷のケガから今月6日に3か月ぶりに一軍復帰。同日のロッテ戦で3回途中10失点と振るわず、本来の投球を取り戻すべく二軍再調整となった。13日のウエスタン・中日戦では、6回を3安打無四球8奪三振、最速157キロという内容で1失点。「1週間で思っている以上に修正できた。方向性は出てきた」と不安を一掃し、五輪本番、逆転優勝を狙うチームの後半戦の戦いに向けてきっちりと道筋を立てた。

取り巻く状況は理解している。「ホークスでの復帰にしてもそうですし、ジャパンに選ばれた時もそうですけど、やっぱり投手というのはマウンドで良い悪いがはっきり目立つ職場。やっぱりちゃんとしないことには、悪い意味で目立つ。改めてそう思わされたポジション。本当に大変ですけど、そこに立ち向かっていけるように、いい準備をするだけだと思っています」とも語った。靱帯損傷のケガを負ったのが4月6日で、再び一軍のマウンドに上がったのが7月6日だった。「3か月で戻る」と自ら決心し、時間を無駄にせず前向きにリハビリを乗り越え、有言実行で戻ってきた。育成時代から初志貫徹で立身出世を果たしてきた男は、常に目の前の戦いをしっかりと見据えている。

不安視する見方が世間の中にあることも事実だ。ここからのパフォーマンスがまさに真価の見せ所。やってやるぞ――。

「そういう気持ちを持ってしっかりと(代表合宿の)仙台に入れるように。しっかりと! 取り組みたいと思います」

確かな兆しを掴んだ侍の大黒柱が、いざ出陣する。

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