エンゼルス・大谷翔平が愛される理由 高校時代の「目標シート」にあった

花巻東高校時代の大谷翔平

【赤坂英一 赤ペン!!】大谷翔平が初のオールスター出場を果たした13日(日本時間14日)、NHK「クローズアップ現代+」で大谷特集をやっていた。大谷がグラウンドでゴミ拾いをしている姿を紹介し「これがアメリカのファンに愛される理由」というのである。

そこでこの番組では、大谷が花巻東高校時代で書いた「目標設定シート」を紹介。そこには「愛される人間」「人間性」とともに「ゴミ拾い」という言葉があった。大谷は花巻東・佐々木洋監督に「ゴミを拾うことは運を拾うこと」と教わり、それをメジャーに行っても実践しているわけだ。

目標設定シートとは、佐々木監督が野球部員の意識付けのために書かせているもの。1か月や1年の強化目標、高校卒業までに達成したい目的、老後まで含めた人生設計など、様々な目標を具体的に設定させている。

大谷は高1の時、卒業後の目標として「8球団からドラフト1位指名を受ける」と書いた。その理由は何か、以前、大谷に聞いたことがある。

「今までのドラフト1位指名で、一番多かったのが8球団(1989年、野茂英雄)だから、僕もそれぐらいの選手になりたい、ということです。先輩の雄星さん(現マリナーズ菊池)は6球団に1位指名されてるので、それを超えられれば、という意味もあります」

実は、大谷は入部したころ「雄星さんのようになりたいです」と話していた。が、佐々木監督が「そこに目標を置くと雄星以下で終わる。雄星を超えようとしなければいけない」と指導。そう言われて、目標を1段階引き上げたのである。

やがて、メジャー志向が募ってくると、18歳の目標を「メジャー球団に入団」にランクアップ。続けて20歳で「15億円でメジャー契約」。21歳で「先発ローテ入り。16勝」。24歳「ノーヒットノーラン、25勝」、さらには25歳で「世界最速175キロ」と、大きな夢を次から次へと目標シートにつづるようになった。

ちなみに、当時は26歳で結婚し、子供は3人つくるつもりだった。40歳で引退し、地元・岩手でリトルリーグの監督に就任。66歳以降は家族で世界旅行を楽しみ、85歳で「死ぬ」と書いている。高校生で自分の寿命まで決めていたのか、と聞いたら、大谷は笑った。

「85歳での目標が見つからなかったんです。何となくでいいから書けって(監督に)言われたんですけど、何もないから死んじゃいましたね」

こういうキャラも愛される理由なのかな?

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