【横浜市長選】自民分裂、立民「野党統一」難航… 横浜市長選、水面下も深まる混迷

横浜市庁舎

 任期満了に伴う横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)を巡り、9人が名乗りを上げた。現職の林文子市長(75)が立候補を表明したことで「戦いの構図」はほぼ固まったと見られるが、過去最多の6人を大幅に上回る乱立状態に、混戦は必至だ。

 自民党横浜市連は「自主投票」を選択したことで“分裂選挙”が避けられない見通しとなる一方、立憲民主党は「野党統一候補」に向けた調整が難航するなど、各政党内でも混迷の度合いを深めている。

 「『政策』と『義理人情』のはざま。どちらを重視するのか、二者択一だ」

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜誘致「取りやめ」を明言して市長選への出馬を表明した前国家公安委員長小此木八郎氏(56)の支援を巡り、自民党は紛糾した。

 横浜自民党にとってIR誘致は「1丁目1番地」。突然の反対表明に、ある市議は「はいそうですかと受け入れられるものではない。政治家が政策を失ったら終わり。小此木さんがIR推進でやってくれれば何の問題もなかった」と顔をゆがめた。

 自民党市連は11日の総務会で激しく議論した末、市連会長の坂井学官房副長官に判断を一任。自主投票を決めた。党を挙げて支える「推薦」ではなく「自主投票」とすることで離党や離反といったリスクを回避した形だが、市議の間では誘致反対の小此木氏と誘致推進の林氏、どちらを支持するかで意見が割れている。

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