【球宴第2戦】工藤監督 “申告敬遠” “地縁起用” “栗原4ポジション” “ベンチは熱男色” ミッション完遂

試合後、満足げな表情で巨人・原監督と握手するソフトバンク・工藤監督

指揮官は喜色満面で勝利監督インタビューに応じた。17日の「マイナビオールスターゲーム2021」第2戦(楽天生命)は、全パが全セに4―3で競り勝った。連日、終盤までもつれる1点差ゲーム。パ・リーグの精鋭たちが、前夜敗戦の借りを震災から10年を迎える東北・仙台で返した。

率いたソフトバンク・工藤公康監督(58)は感慨深げに勝利の喜びをかみ締めた。イーグルスの4番・島内宏明外野手(31)が3安打3打点でMVPを獲得し、仙台を本拠地とする楽天勢が投打に躍動。「島内君の大活躍。最後の1点を小深田君のランニングで取ってと。ほんとに楽天の選手が取ってくれたというのは、ファンの皆さんも満足する勝利ではないかと思います」。名前を挙げた野手陣に加えて、則本昂が気迫あふれる投球で2回零封と存在感を発揮。地元勢以外でも毎回、選出選手の出身地、出身校などを調べ上げ、開催地との「地縁」を重視して選手起用を熟考する指揮官は、仙台に詰めかけたファンの喜ぶ顔を見て安堵したはずだ。

連日のパ・リーグの一体感、ベンチの雰囲気にも満足そうだった。「今日は絶対勝つぞと。円陣でも小深田君が話をし、そして島内君が話をし、また松田君が島内君に(光の反射を抑えるアイブラックで)〇×をつけてですね。非常にベンチの中は盛り上がり、勝つ雰囲気が100%出ていましたので、今日は絶対勝てると思っていました」。球界屈指のムードメーカーである自軍の松田宣浩内野手(38)の第1戦に続く気遣いあふれる雰囲気づくりに目を細め、チーム一丸での勝利に自然と言葉が弾んだ。

最後は全国の野球ファンに向けて、後半戦も熱戦必至のパ・リーグのペナント争いを猛アピール。「本当にパ・リーグは燃えに燃えて、6球団でそんなに差がない中で競っておりますので、ぜひ楽しんでいただきたい。その燃える中から皆さまに少しでも元気を届けられるように、シーズン最後まで頑張っていきます」。

第1戦の申告敬遠、五輪代表・栗原(ソフトバンク)の球宴史上初となる1試合4ポジション起用、地縁選手のやりくりなどミッションを完遂した工藤監督。エンターテインメントの中に、真剣勝負も織り交ぜ「祭典」の名にふさわし

© 株式会社東京スポーツ新聞社