V長崎 J2現在8位 監督交代を機に順位上昇 中断挟み“後半戦”へ

好調なV長崎。中断前最後の試合となった第23節は、ウェリントンハットと江川にJ初ゴールが生まれた=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 五輪開催に伴い、サッカーのJ2リーグは今週から約3週間の中断期間に入った。全42節中、第23節までを消化してV・ファーレン長崎は現在8位。序盤の不振から監督交代を機に急速に巻き返している。J1昇格圏(2枠)までの勝ち点差は「8」。新体制移行後の勝ち点ペースを維持しながら、上位との直接対決に勝ち続ければ、ぎりぎり届きそうな位置につけている。

■「84」以上を

 V長崎のここまでの戦績は12勝4分け7敗(勝ち点40)。松田監督就任前の12試合は4勝2分け6敗(同14)だったが、就任後の11試合は8勝2分け1敗(同26)と安定している。
 昨季のJ2の最終成績をみてみると、昇格した徳島と福岡はともに勝ち点「84」を積み上げていた。第23節時点の勝ち点は徳島が「47」、福岡は「43」。だが、今季の首位磐田と2位京都はともに「48」と昨季をしのぐハイペースで勝ち点を伸ばしており、3位新潟も「45」で続いている。昇格ラインがさらに上がる可能性はある。
 昨季3位だったV長崎の最終成績は23勝11分け8敗(勝ち点80)。第23節時点で見ると、勝ち点は今季と同じ「40」だった。以降の19試合で12勝4分け3敗の好成績を残しても昇格できなかった点を踏まえれば、これから負けはもちろん、引き分けも極力減らす工夫が求められる。

■補強の動向

 V長崎がJ1に参戦した2018年は、ワールドカップ開催に伴い夏場に2カ月の中断期間があった。当時チームは残留圏内にいたが、中断期間を利用して他クラブがこぞって大型補強を敢行。結果、順位が大きく変動して、V長崎は最下位に沈んだ。今季も各クラブの補強策が、少なからず最終順位に影響すると言えそうだ。
 現在のV長崎はチーム状態が良く、現場もフロントも大きく変える必要はないという考えで一致している。その一方で、強化部は移籍市場の動向を常にチェック。現在の在籍選手が出場機会を求めて他クラブに移るケースも念頭におく。小規模な動きはあるとみるべきで、ファンにとってはリーグ休止中の大きな関心事になるだろう。
 再開初戦は8月9日。14位金沢とのアウェーゲームから“後半戦”が始まる。

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