【ソフトボール】「最初の山場」21日に五輪開幕戦 勝利のカギは投手力

公式練習を行ったオーストラリア代表

金メダル街道を歩めるか――。新型コロナウイルス禍の影響で1年延期となった東京五輪の全競技に先駆けて、21日から女子ソフトボールが行われる。日本代表は開幕戦(福島・あづま球場)でオーストラリア代表と対戦するが、投手力が勝敗のカギを握りそうだ。

2008年北京五輪で金メダルに輝いた日本代表。13年越しの連覇を狙う中で、初戦の勝利は必須条件だが、対戦相手のオーストラリア代表は6月1日から群馬・太田市で長期合宿を実施。日本の暑さに慣れているだけでなく、実業団チームと練習試合も重ねており、日本投手陣の特徴は把握済み。選手らからは「最初の山場だ」との声も聞かれる。

さらに、オーストラリア代表を知る関係者は「投手力に関しては日本の上だが、オーストラリアは打力のチーム」と指摘する。実際に、オーストラリア戦での登板が予想される藤田倭投手(ビックカメラ高崎)は「クリケットが有名が国なので、低めのボールを打つのがうまいチーム」と分析。特に2度の五輪出場経験を持つステーシー・ポーター内野手をマークしており「長打だけは避けながら、丁寧に投げていきたい」と話す。

宇津木麗華監督は東京五輪に向けて、打力アップを1つのテーマにしてきたが、それは高い投手力があるからこそ。かつて本紙に「上野由岐子(ビックカメラ高崎)、藤田という素晴らしい投手力で戦っていきたい」と展望を口にしていた。

今大会の五輪には6か国が出場。総当たり戦の1次リーグを行い、上位2チームが決勝に進む。北京五輪では上位4チームに決勝進出の可能性があっただけに、狭き門とも言える。指揮官は「昔は(北京五輪などは)予選で3位、4位になっても大丈夫だったが、今大会は予選で2位までに行かないと金メダルは不可能」と気を引き締める。

やはり世界一に挑む上で、簡単な試合は1つもない。まずは〝投打〟のたてほこ対決を制し、流れをつかみたいところだ。

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