【高校発みやざきSDGs】ー22ー宮崎南(上) 多様な「答え」に挑戦

鵬イノベーションコンテストで発表する生徒たち

 本校が文部科学省「地域との協働による高等学校教育改革推進事業・地域魅力化型」に指定されて3年目を迎える。過去2年間、多くの地域の大学、行政、企業にご指導いただいた。一例として、1年生の時に「鵬(おおとり)イノベーションコンテスト」と題し、地域の行政や企業、団体からテーマをもらい、答えが一つではない問いへチャレンジしている。本年度も8団体から9テーマをいただき実施する予定だ。
 また、昨年度は宮崎市役所と協力して新型コロナウイルス感染症からの復興を願い、探究活動の一環として、生徒発案のイベントを計画。残念ながら開催直前に新型コロナウイルスの感染状況が悪化したため中止となったが、イベントに関わった生徒は口をそろえて「将来は地元宮崎に貢献していきたい」と熱く語った。
 生徒たちが取り組んだSDGsは目標11「住み続けられるまちづくりを」。進学などで県外に流出した若者が帰って来たいと思える「まち」とはどのような「まち」なのかを探究した。そして、生徒たちが見いだした答えは「若者の声に耳を傾けてくれるまち」だった。このように1年生での鵬イノベーションコンテストから2年生での探究活動まで、彼らの周りには真摯(しんし)に意見に耳を傾けてくれる地域の大人たちの存在がある。その成果として徐々にではあるが、地域で本校生徒を育てる地盤が固まり、SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」の実現にもつながっている。
(教諭・河原美那子)

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