サムスンバイオ、4~6月の実績が過去最高に 世界最大生産施設の建設も進行中

韓国製薬大手のサムスンバイオロジックスが4半期基準で過去最大の実績を記録した。

サムスンバイオロジックスは27日、今年第2四半期(4~6月)の実績を発表した。それによると、売上高4,122億ウォン(約392億円)、営業利益1,668億ウォン(約159億円)を記録し、それぞれ四半期基準で過去最大の実績を達成したと発表した。

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売上高は、新規製品の受注成果による第3工場の稼働率の上昇と新型コロナウイルス向け製品の販売の増加により、前年同期比1,045億ウォン(約99億円/+ 34.0%)増加した。営業利益は、売上高の増加と第3工場の稼働率上昇に伴う影響で、前年同期に比べて857億ウォン(約81億円/+ 105.7%)増加した。

直前四半期比では売上高と営業利益はそれぞれ1,514億(約144億円/+ 58.1%)、925億ウォン(約88億円/+ 124.5%)増加した。

サムスンバイオロジックスは急増するバイオ医薬品の需要に対応するため、昨年8月に単一工場基準としては世界最大の生産能力(CAPA)をほこる第4工場(25万6,000リットル)増設に着手した。

工場は、2022年末の部分稼働、2023年のフル稼働を目標に滞りなく建設が進行中だという。

サムスンバイオロジックスは、今年第2四半期基準で資産6兆6,110億ウォン(約6,280億円)、資本4兆7,810億ウォン(約4,546億円)、負債1兆8,300億ウォン(約1,740億円)となっており、負債比率38%、借入金の割合12%と安定した財務状態を維持している。

サムスンバイオロジックスは、昨年の目標であった売上高1兆ウォン超えを達成したのに続き、今年第2四半期は四半期最大の実績を記録するなど、市場の需要に積極的に対応し、急速に成長している。

去る5月にモデルナとコロナ19 mRNAワクチン完成医薬品(DP)の生産委託契約を締結し、すでに生産に突入している。続いて2022年上半期を目標にmRNAワクチン原料薬(DS)の生産設備を構築している。これにより、mRNAワクチンのDS生産からDPまで可能なエンドツーエンド(end-to-end)のサービスを提供することができるものと予想される。

サムスンバイオロジックスの関係者は、「コロナ19パンデミックで厳しい環境だが、生産設備の効率的な運営と第4工場の早期受注に力を集中する計画」であるとし、「また、世界へのコロナ19ワクチンと治療薬の安定した迅速な供給を通じて、コロナ19パンデミックの早期終息のための努力を継続する方針だ」と強調した。

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