在韓被爆者らに手紙 派遣・平和大使「次世代に受け継ぐ」

在韓被爆者らに手紙などを贈る小畑さん(右)と中本さん=長崎市役所

 新型コロナウイルス禍で渡航が難しい状況でも交流を続けようと、「韓国派遣・高校生平和大使」に県内から選出された高校生2人が、在韓被爆者らに韓国語で「皆さんの体験を忘れず、次世代に受け継いでいく」と記した手紙と折り鶴などを贈る。
 韓国南東部・陜川(ハプチョン)の被爆者介護施設「陜川原爆被害者福祉会館」に暮らす被爆者約110人と、その職員ら宛て。7月中に郵送する予定。
 同大使は、韓国を訪れて在韓被爆者や現地の高校生らと交流して街頭署名活動などに取り組んでおり、当初は3月に渡航する予定だった。コロナ禍で延期となり、小畑なつさん(17)=活水高3年=と中本大貴さん(17)=県立諫早商業高3年=の同大使2人が中心になって考えた。
 折り鶴は、五島市在住の藤原良子さんが折ったもの。ステンレス製マグカップと巾着袋も添えて贈る。2人は26日、長崎市役所で記者会見し、小畑さんは「日本の高校生が平和について考えていると伝えたい」、中本さんは「コロナ禍で明るい世の中ではないが、贈り物で少しでも元気を与えられたら」と語った。
 韓国渡航はコロナ収束などを条件に判断し、来年3月末を検討している。

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