【体操】体操一筋の金メダリスト・橋本大輝の悩みは「電車のつり皮」

橋本大輝のつり輪演技

東京五輪の体操男子個人総合決勝(28日、有明体操競技場)で、若きエース・橋本大輝(19=順大)が大逆転で金メダルを獲得した。

8月7日に20歳となる橋本は、今回の金メダルが19歳355日で男子個人総合の最年少記録となった。歓喜の直後は「本当に一番うれしい瞬間は言葉で表せない」。常に自分の気持ちをストレートに表現する男が、この時ばかりは言葉が見つからなかった。

6歳から体操を始めた。「他競技の経験はゼロ」というように体操一筋。50メートル走は6・7秒とまずまずだが、市船高時代は意外にも体育の評定は5段階評価の「4」。理由は「市船ってみんな足が速いんですよ」と負けを認めるが、体操の話になれば人格が変わって負けず嫌いになる。

普段から「美しくあること」に極限までこだわる。毎日欠かさず壁倒立をしてつま先を伸ばすことを心掛け、立っている時は指先までピッと伸ばして〝気をつけ〟の姿勢を取るようにした。さらに「電車のつり皮は浅くつかまらない。深くつかまらないと落ちそうで不安なんですよ」と〝職業病〟もあるようだ。

天真らんまんな19歳に「好きなタイプは?」と聞くと「(女優の)浜辺美波さん、いいですね」と照れ笑いを浮かべた。世界を取った男は今後、どんな道を歩むのか。

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