【柔道】混合団体まさかの銀メダル 大野将平「キャプテンとして責任を感じています」

階級が上のリネール(右)に挑んだウルフも敗戦…

ニッポン柔道が有終の美を飾れなかった。東京五輪の柔道競技最終日(29日、日本武道館)、新種目に採用された「混合団体」の決勝が行われ、日本はフランスに1―4で破れて銀メダルに終わった。これまで同競技で金メダル9個を獲得していたが、柔道伝統国かつ開催国という〝絶対に負けられない戦い〟で金メダルを逃してしまった。

混同団体の初戦となる準々決勝はドイツに4―2と逆転勝ちし、準決勝でロシア・オリンピック委員会(ROC)に4連勝。だが、円陣を組んで出陣した決勝で、日本は先鋒の女子70キロ級金メダル新井千鶴(三井住友海上)、2番手の男子90キロ級・向翔一郎(24=ALSOK)が連敗していきなりピンチを迎えた。

前日に78キロ級で金メダルを獲得した素根輝(パーク24)が合わせ技一本勝ちで1―2と巻き返したが、続く男子100キロ級金メダルのウルフ・アロン(了徳寺大職)は100キロ超級銅メダルで12年ロンドン、16年リオを連覇したテディ・リネールに対して延長戦の末に技ありを奪われて黒星。

後がなくなった日本は女子57キロ級銅メダルの芳田司(コマツ)が登場したが、技ありを奪われて敗戦――。73キロ級を連覇した大野将平(旭化成)の出番はなく、歓喜に沸くフランスチームの目の前でガックリと肩を落とした。

試合後、素根は「みんなで優勝を目指していたので2位で悔しい」、最後に敗れた芳田は「自分の流れにすることができなかった」、ウルフは「ふがいない結果になった」と悔しさをにじませた。

出番がなかった主将の大野は「まずは五輪前半の柔道を応援してくださりありがとうございます。フランスは強かった、尊敬しています」と感謝と敬意を表した後に「この団体で負けたことはしっかり胸に刻まないといけない。キャプテンとして責任を感じています。3年後にリベンジできるよう精進していきたい」と決意を口にした。

最後に敗れたものの、日本は個人戦でメダルを逃した選手も銀メダルを手に入れ、出場14人全員がメダル獲得。これは史上初の快挙となった。

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