【侍ジャパン】広島・森下 スマイル少なめ “QSキング”5回2失点降板に「やっぱり悔しい」

メキシコ打線を5回2失点に抑えた広島・森下だが…

東京五輪で悲願の金メダル獲得を目指す野球日本代表・侍ジャパンは31日、オープニングラウンドのメキシコ戦(横浜)に7―4の逆転勝ち。先発を託された森下暢仁投手(23=広島)が5回無四球2失点と試合をつくり、勝利に貢献した。

女性人気抜群の右腕は、お役御免となった後もベンチで口元を緩めることはなかった。「やっぱり5回で降りることがなかなか最近はなかったので、やっぱり悔しい気持ちというのはあります」。

今季、NPBで森下が群を抜いている数字がある。クオリティースタート(QS)率だ。QSとは先発が6回以上を投げ、自責点3以内に抑えた時に記録される。森下が今季これを逃したのは、4月14日の阪神戦のみ。13試合に登板してQSクリアは実に12試合。QS率「90%超え」は、12球団で森下ただ一人だけだ。

初回に先制点を献上し、打線の援護を受けた後の4回にも失点を重ねたことを猛省した右腕。先発の責務、試合の機微を知るだけに、5回68球でマウンドを譲ることに安堵感よりも「悔しさ」が勝ったのは自然のことだった。

日本中が注目する母国五輪。勝利投手にもスマイルが少なめだったのは〝QSキング〟ゆえだった。

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