今の古里に感じていることは? 若者ら20人「NEXT長崎ミーティング」発足

長崎の未来や期待することなどを語り合った「NEXT長崎ミーティング」=県庁

 県は、県内の若者らが長崎の将来などを語り合う「NEXT長崎ミーティング」を発足させた。初回は6月にオンラインで開催。20人が参加し、今の長崎に感じていることや、未来の長崎に期待することをテーマに意見を交わした。全4回の各回を随時、リポートする。
 県政策企画課によると、本県は人口流出が続く一方、JR長崎駅周辺の再開発など「100年に1度」の事業が進む。県内の若者らが意見交換し、この大きな変化を地域活性化に結び付け、夢や希望をもって活躍できる県を目指すのが狙い。
 ミーティングは、大学生や地域活性化に携わっている社会人、県庁の若手職員有志と、全4回の各回で募集する公募メンバーで構成。総務省地域力創造アドバイザーの船木成記氏がサポーターとして参加する。
 6月15日午後7時。参加者は簡単な自己紹介をした後、それぞれの思いをざっくばらんに語った。
 「離島では職種が限られているが、自分で小さなことから始められる。小さく始めて少しずつ大きくしていける環境があると思う」。五島市で、総合デザイン事業所「ポリライン」の代表を務める加藤空武さん(28)は離島での雇用環境について、期待を語った。
 一方、長崎市の大学生、寳子山海さん(19)は「歴史や観光資源がたくさんあっても、働き口が増える訳ではないので、長崎に残りたくても残れない。地元への愛着があっても、自分がやりたいことを優先する」と話した。
 長崎市の会社員、松本祐輔さん(26)は「長崎は家賃、物価が高い。長崎の魅力と生活環境をてんびんにかけると、生活環境を優先してしまう。その結果、人口流出しているのではないか」と述べた。
 ほかにも、「長崎と言えば『○○』という強力なものがない」「高齢者から『長崎は老後に暮らすのにちょうどいいまちで、若い人にはつまらないのによく(県外から)長崎に来たね』と言われる」「進学で県外から長崎に来たが、意外と都会で住める」といった長崎に対するイメージや生活・雇用環境、地域とのつながり、情報発信などの意見が上がった。
 2時間で終了予定だったが、会話が盛り上がり、希望者のみ1時間の“延長戦”となった。今年4月に東京から長崎にUターンした県職員の寺側裕梨さん(32)は「周りから『(長崎には)何もない』と言われて育った」と明かした。それを聞いた船木さんはこう言った。「大人が『何もない』と言い続けている。だから若い人が『何もない』と言うのは当然。どのように変えるかが重要だ」。その言葉に多くの参加者がうなずいた。

 県は、第2回のミーティングを8月2日午後7時に開く。25日まで公募メンバーを募集している。次のテーマは「長崎の魅力ってなんだろう」。問い合わせは県政策企画課(電095.895.2073)。

© 株式会社長崎新聞社