韓国政府、現代建設への監査で300件以上の違反摘発...10年間で50人超の労働者死亡

韓国の建設大手「現代建設」の現場などで、最近10年の間に労働者51人が死亡しており、韓国政府の監督の結果、300件以上の産業安全保健法違反が摘発されたことが分かった。本社に3億9000万ウォン(約3700万円)、全国の現場に対して1億7600万ウォン(約1674億円)の過料が課された。

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韓国の雇用労働部(省)は2日、現代建設本社と現場の安全衛生管理システムの診断と産業安全保健法違反の有無について監督した結果を発表した。

現代建設は、2011年から10年間で労働者51人が作業中に死亡する事故が発生している。今年はすでに労働者3人が死亡した。

そのため、雇用労働部は、6月14日から現代建設本社と現場安全管理の実態について監査を行った。本社と全国68の建設現場への監査の結果、45件の現場において、301件の産業安全保険法違反が確認された。

本社では198件の違反が確認され、合計3億9140万ウォンの過料が課された。 2件については是正措置が下された。

(画像:現代建設本社)

現場については、司法措置25件と過料76件、是正措置2件、合計103件の違反が摘発された。現場に課される罰金は合計1億7621万ウォンだ。

管理システム運営不十分、教育未実施などで共通の違反が発見された。

12の現場では、墜落・転倒防止措置未実施などリスク管理に疎かで、6つの現場では安全管理費を不適正に使用した事例も確認された。 16の現場では、労働者の健康診断などが十分に行われていなかった。

雇用部は、本社の診断結果安全管理システムの改善が必要であると判断した。

現代建設は、事業場の代表者の目標設定のもと、事業本部別の目標を公表して運営中であるが、具体的な推進戦略が不在であるか、業績評価指標などがなく、努力が十分でなかった。

また、週単位で安全点検会議を行うなど、頻繁に危険性の評価を実施しているにも関わらず、本部レベルでの監視がないという危険な状況が再発していた。

500人の安全衛生管理者は、安全計画と現場の管理業務を担当していたが、正規職の割合が低く、配置転換が頻繁であるため、適切な業務遂行のための環境も保証されていなかった。

特に現代建設の安全衛生予算編成額は、最近3年間で平均67億ウォンと、毎年増加しており、実際の執行額も119億ウォンと大きく増えたが、ほとんどが管理者の給与に支出され、安全教育のための予算執行は微々たる水準であると確認された。

また、独自の安全衛生提案制度を通じて、最近3年間で合計152件が受理されたが、半分(66件・43%)が反映されないなど、制度が十分に運用されていなかった。

雇用部は、このような事項について改善を勧告しており、現代建設は監督結果をもとに改善計画を策定する予定である。

クォン・ギソプ雇用部産業安全保健本部長は、「現代建設は安全管理システムを大々的に刷新し、今後発生するリスクに積極的に備えなければならない」と呼びかけた。

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