東京五輪 西村選手1次L敗退 恩師ら健闘たたえる

男子組手75キロ級1次リーグで米国選手(右)を攻める西村拳選手=6日、日本武道館

 東京五輪の空手組手男子75キロ級で西村拳選手(25)=チャンプ、宮崎第一高出=は6日、1次リーグで敗退し、悲願のメダル獲得を逃したが、母校の恩師や先輩は健闘をたたえた。
 高校時代の恩師で同校空手部総監督の図師幸一さん(72)は、引き分けでも準決勝に進めたリーグ最終戦の終了直前に逆転され、予選敗退が決まったことに「これが勝負の世界。現実は厳しい」と声を絞り出した。だが、粘り強さや勝負にこだわる姿勢など「真骨頂」は随所に見られたという。「教え子として誇り。拳にはまだまだ先がある。『気張れ』と伝えたい」
 「最後は気の緩みがあったのか、拳らしくなかった。負けた瞬間、自分のことのように悔しかった」と話すのは、同校の1学年先輩で、県警警察官の松本裕也さん(27)=宮崎市。高校時代は西村選手とともに全国高校総体で団体優勝を果たした。五輪に出るまでになった「自慢の後輩」に「一生悔やまれる試合になるだろうが、人生の糧にしてほしい。長い時間を五輪に懸けてきたので、ゆっくり休んで」とねぎらった。

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