J2再開へ V長崎「ピンチをチャンスに」 コロナ陽性3人 総力戦で乗り切る

動きにキレが戻ってきたV長崎のイバルボ=諫早市サッカー場

 逆境からの再スタートとなる。サッカーJ2リーグの再開を9日に控える中、V・ファーレン長崎は選手3人から新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを2日に発表した。アウェー金沢戦は濃厚接触者を含む複数選手が帯同できず、以降数試合もメンバー編成の再考が避けられない情勢。まずは総力戦で夏場を乗り切る覚悟だ。
 V長崎は7月17日に行われた前節を勝利で飾り、8位で3週間の中断期間に入った。選手たちは5日間の完全オフを過ごした後、自チームの戦い方を守備、攻撃など各局面ごとに分析。長所を伸ばし、短所を消す作業を緻密に積み上げてきた。右サイドバックで不動の地位を確立している毎熊晟矢は「このままやっていけば、勝利をもっと増やせる」と自信をのぞかせていた。
 気掛かりなのは、やはりコロナの影響だ。クラブによると、感染した3人のうち2人が7月30日に陽性反応が出て、8月2日に1人が陽性と診断された。これを受けて、3日のエリートリーグ福岡戦と、同時期に計画していたトレーニングマッチは急きょ中止に。対外試合を一度もできないまま、ぶっつけ本番でリーグ再開を迎えるという思わぬ展開になった。
 一方、これまで出場機会が少なかった選手たちが復調してきたのは好材料。7月31日の公開練習では、FWビクトル・イバルボやMF名倉巧ら前線の選手がキレのある動きを見せ、肉離れから復帰したDF亀川諒史もフルメニューをこなしていた。いずれも昨季は主軸級の活躍をしていただけに、出られない選手の穴を埋める以上の活躍が期待される。
 6日、オンライン取材に応じた松田監督は冷静だった。「コロナがなければ上積みしかなかったが、現状プラスマイナスゼロ。起きてしまったことはどうしようもないので、全員戻ってきたときにより高いところで競争できるよう、いい機会に変えていけばいい」
 ピンチをチャンスに変えられるか。アウェー金沢戦は9日午後7時キックオフ。

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