小椋藍「今年のベストレースでした。来週のために改善が必要なことを見つけました」/MotoGP第10戦スティリアGP

 8月8日、オーストリアのレッドブル・リンクで行われた2021年MotoGP第10戦スティリアGP Moto2クラスの決勝で小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)は2番手グリッドからスタートして5位入賞を果たした。

 2018年から2020年までホンダ・チーム・アジアからMoto3クラスに参戦した小椋。今季はイデミツ・ホンダ・チーム・アジアからMoto2クラスに昇格している。

 2021年の前半戦は上位に入るものの、予選と決勝ともにトップ3には届いていなかった。しかし、後半戦のスタートとなった今大会、第10戦スティリアGPの予選でMoto2クラスで初のフロントロウを獲得した。

 決勝日の午前にウエットで行われたウォームアップ走行は30番手で最後尾だったが、決勝はドライ宣言のなかスタート。1列目2番手からスタートした小椋は1コーナーで3番手、3コーナーで4番手に順位を落とし、5番手でオープニングラップを終える。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2021MotoGP第10戦スティリアGP 決勝

 そして、前後の集団から少し離れ、単独でトップ集団を追う。ウエットパッチに苦戦したこともあり、4周目には6コーナーでアウトに膨らみサム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)にかわされ6番手に落とす。7周目には最終セクターでトップ集団のラウル・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)がミスをして小椋は5番手に浮上。9周目には6~7コーナーでロウズをかわし4番手まで戻し、約1秒先のトップ集団を追う展開になる。

 それからファステストラップを記録しつつ、前方に1周コンマ1秒ずつ詰めていく。14周目にはトップ集団に追いつき4台で表彰台を争う位置まで戻した。しかし、16周目に入る頃に小椋にトラックリミットの警告が出される。翌17周目に1コーナーで3番手に浮上。しかし3コーナーでアロン・カネト(Aspar Team Moto2)に抜き返される。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2021MotoGP第10戦スティリアGP 決勝

 小椋は19周目に1コーナーで3番手浮上。再度3コーナーでカネトと入れ替わるが、4コーナーで3番手を守る。20周目は前方のレミー・ガードナー(Red Bull KTM Ajo)が4コーナーでコースを外れ小椋が2番手に。

 ところが、2度のトラックリミット違反をしたことで、ラスト5ラップに入った時に小椋にロングラップペナルティが科される。残り4周、小椋が1コーナーの先にあるロングラップペナルティゾーンを走り、4番手で復帰するとガードナーに3コーナーで先行され5番手になる。

 ラストラップ、小椋はガードナーに迫りファステストラップを更新するもわずか届かず、5番手でレースを終えた。レース後にはロングラップペナルティゾーンをカットしたため3秒ペナルティが科されたが、順位は5位を守った。

 小椋は「レースについては満足しています。今年のベストレースでした」とレースを振り返った。

「レースに勝つためのオプションを見ることが出来ました。トップとは接近していましたし、来週のレースに向けての自信となりました。レースの中で、来週のレースのために改善が必要なことを見つけました。これに焦点をあてて作業を進めて行きます」

 次戦は8月13~15日に同地レッドブル・リンクで第11戦オーストリアGPが開催される。小椋は、来週のレースでも表彰台を狙ってくるだろう。

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