BBC韓国「日本で我慢は美徳とされるが...精神疾患に繋がる」「満員電車でも沈黙」

BBCコリアが日本人の我慢症について長文特集を掲載し、日本では美徳のように叩き込まれる「我慢」のメカニズムや現状について伝えいてる。

BBCは先月、「日本で《我慢》がもはや通用しない理由」という特集において、一日に(延べ)2,000万人の利用があるという東京の地下鉄を挙げ、「足の踏み場のない電車の中で乗客はほとんど動くことができない。足が時折地面に届かない時もある。このように人々が溢れる地下鉄だが、沈黙で満たされている」とし、「落ち着いた秩序ある行動は日本人の特徴でもある」と指摘した。

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その一方でBBCは、「しかし、このような外部の秩序を維持するために、人々は、かなりの努力を要する」とし、「日本では、このような努力を《我慢》という。耐える、あるいは耐えるというこの言葉は、多くの日本人が座右の銘として刻む言葉だ」と伝えた。

我慢の概念は、簡単に言えば、予期せぬ状況や困難な状況に直面したとき、耐えなければならないというものであり、そうすることによって調和の取れた社会的関係を維持することができるというものである。そのため「衝突を避けるために、自分の感情にブレーキをかけるもの」であり、「日本ではこれをお互いに期待する義務であり、成熟の証のように受け取る」とBBCコリアは分析。

その上で、「我慢は人々が制御できない出来事に対処するための一連の戦略である」や「日本では、特に女性は子供のころから、可能な限り多くの我慢ができるよう教育される」との専門家の意見を交え、日本の「我慢」の現状について解説した。

BBCは、我慢とは、仏教に教えおいて人が避けなければならないとする7つのうちの一つで、「自慢している心」というのが漢文本来の意味であるが、「日本では社会構成員として一人一人の忍耐のメカニズムとして進化した」と指摘している。

そして、この概念が「戦争後、日本の経済好況期に仕事は国家再建の道であり、これが即ち家族との時間を犠牲にし、オフィスで長い時間を過ごす習慣につながった」と分析した。

BBCは、「我慢」に代表される忍耐力が日本の低い犯罪率に貢献しているとの日本人法学者の意見や「我慢を美化することは個人への圧迫に作用する」「多くの否定的な感情がたまると精神疾患につながる可能性がある」との見方も紹介した。

一方で、日本の若い世代で我慢を忌避する動きがあることにも触れており、多くの若者が臨時契約やアルバイトなど我慢を必要としない職種につき、海辺の町など地方への移住例もあることを紹介している。

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