希望を持てる作品に―。骨髄バンクと命をテーマにした映画「みんな生きている~二つ目の誕生日~」の撮影が今夏、糸魚川市内で行われた。
企画・原案・主演を務めるのは同市出身の俳優・樋口大悟さん(43)。25歳の時に急性骨髄性白血病を患い、30歳で骨髄移植を受けた経験を基に映画化する。公開は来年を予定している。
移植から13年目。死を覚悟した命が移植によって救われ、元気になった姿を見せることで今も病気と闘っている人への励ましになればと映画製作プロジェクトに思いを懸ける。年を重ねるごとに増すドナー(骨髄移植提供者)への感謝の気持ちも映画を通して届ける。
作品は白血病と闘う青年と偶然にも青年に骨髄を提供することになった主婦をめぐる運命のストーリー。舞台は地方と都会を結んで描かれ、地方撮影はふるさとの糸魚川を選んだ。7月7日から1週間、両沢和幸監督はじめ俳優やスタッフ総勢約30人が糸魚川入り。コロナ禍で感染対策を講じて行った。
◇市民も出演、撮影に協力
撮影地はフォッサマグナミュージアム、ヒスイ海岸、糸魚川駅前など。エキストラや撮影現場の支援に市民の協力を得た他、撮影見学やオーディションでも交流が生まれた。後援に当たる同市はドナー登録の促進にガバメントクラウドファンディングで製作宣伝費の一部を募集する。
現在は全撮影が終了し編集作業中。完成後は糸魚川で先行上映も計画している。樋口さんは「地域の人からエネルギーをもらいながら撮影ができた。糸魚川の良さと人の温かさが感じられた。見慣れた景色や知り合いの顔もスクリーンに登場するので楽しみにしてもらえたら」と話している。