上越市は12日、佐渡汽船(本社・佐渡市)の小木―直江津航路に就航していた高速カーフェリー「あかね」建造に伴い交付した補助金のうち、約1億7590万円の返還を同社に求めることを明らかにした。同日、市議会の文教経済常任委員会(所管事務調査)で報告した。
「あかね」は平成27年4月から今年3月まで同航路に就航していた。同社の経営改善策の一環で売却、ジェットフォイルに置き換えることを市と同社など4者で合意し、6月、スペインのフェリー運航会社に30億5000万円で売却が決まった。
市は「あかね」建造に際し約2億5000万円を交付しており、売却決定に際し補助金返還とその金額を検討。同社が「あかね」償却期間としていた20年のうち実際に就航、減価償却された6年を除く14年分の補助金の残存額を求めることにした。
2億4000万円上限支援
返還要求の一方で、同航路の維持に向け、本年度限りの補助金として2億4000万円を上限に財政支援を行う考えを示した。市議会9月定例会に予算案を提案する見通し。
本年度の新型コロナウイルス感染症の影響による同航路の収入減少額を対象とした財政支援で、同社の年間計画と輸送実績の差により算出。同航路の今期の運航が終了する10月末までの実績に基づいて金額を精査し、11月以降に交付する考え。
不定期貨物船運航も報告
4日の佐渡航路確保維持改善協議会で示された、羽茂港―直江津港間での不定期貨物船の運航についても報告があった。
事業者は、船舶運送などを行う和幸船舶(神戸市)。10月から不定期で運行開始し、主に佐渡市から柿やコメを輸送する計画という。