クラッチロー「マシンへの理解も深まり、先週よりもずっとフィーリングが良い」/MotoGP第11戦オーストリアGP予選

 8月14日、オーストリアのレッドブル・リンクで2021年MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGPクラスの予選が行われた。フランコ・モルビデリの代役としてペトロナス・ヤマハSRTより参戦中のカル・クラッチローは予選Q1を10番手で終え、決勝では最後尾20番グリッドから勝負を挑むこととなった。

 クラッチローは、2021年よりヤマハ・ファクトリー・レーシングのMotoGPテストライダーを務めており、第10戦スティリアGPから第12戦イギリスGPまでの3戦を怪我で欠場中のフランコ・モルビデリに代わり参戦している。

ヤマハYZR-M1を駆るカル・クラッチロー(ペトロナス・ヤマハSRT)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

 前戦スティリアGPでは23番グリッドからスタートし、何度かバトルを展開しながら順位を上げていき17位で完走しているクラッチロー。昨年まではLCRホンダ・カストロールより参戦しホンダRC213Vを駆っていた。ヤマハYZR-M1でのレースは2013年にモンスター・ヤマハ・テック3に参戦して以来となったが、クラッチローは久しぶりのレースをポジティブな気持ちで楽しんでいた。

 その前戦と同じサーキットでのレースとなる今回オーストリアGP、ドライコンディションであった初日午前のFP1ではマシンの経験を積むためにひたすら周回を重ね20番手タイム。午後のFP2はウェットコンディションから徐々に路面が乾いていったため、それを待ってからの走行となった。しかし難しいコンディションであったため、他の何名かのライダーとともにトップライダーが記録したタイムの107%より遅れてしまいNCとなり、初日の総合は20番手であった。

雨の中ヤマハYZR-M1を駆るカル・クラッチロー(ペトロナス・ヤマハSRT)/2021MotoGP第11戦オーストリアGP FP2

 初日を「先週は決勝中にリヤグリップの問題に悩まされてしまったので、今日はその部分に集中してフリープラクティスに臨み、周回を重ねるなかで原因がわかったような気がする。良い感触を得て、ここからまた計画に沿って作業を続けていくことができる。ウエット、ドライともにもっとスピードを上げていきたいと思っている」と振り返るクラッチロー。

「マシンテストは通常、全日で行われるので、そこからいきなり45分間×2セッションのプラクティスに臨むのは簡単なことではない。とくに今日の午後のようなコンディションの場合は非常に苦労する。しかし自信は持っているので、明日以降がまた楽しみ。前進を目指す」

ヤマハYZR-M1を駆るカル・クラッチロー(ペトロナス・ヤマハSRT)/2021MotoGP第11戦オーストリアGP

 ドライコンディションとなった2日目、FP3では少しずつ自身の初日のタイムを更新していき20番手。予選直前のFP4では決勝用のセッティングで19番手となり、予選Q1では前戦の予選タイムを上回るタイムを記録して10番手となった。

「マシンの状態が確実に良くなっており、僕自身のマシンへの理解も深まっている。とくに電子制御システムのことがよくわかってきた。おかげで今週は先週よりもずっとフィーリングが良く、気持ちよく走れている」とクラッチロー。

「今の課題はエンジンブレーキで、本来ならもっとタイムを短縮できるはずだが、予選セッションはあまりうまくいかなかった。でもFP4は非常に好調で、自信をもって、先週よりも速く走ることができた。ただここでは誰もが強く、どんどん速さを増していく。そのなかでも明日を楽しみにし、レースの展開に注目していく」

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