悪天候による3日間の順延があった第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は15日、第1試合が予定より2時間59分遅れで始まった。12日の試合が降雨ノーゲームとなった大会第3日第1試合は、明桜(秋田)が帯広農(北北海道)に4―2の逆転勝ち。秋田県勢春夏通算60勝目を挙げた。
プロ注目右腕で最速157キロを誇る風間球打投手(3年)が、140球を投じて10奪三振2失点完投。最速は150キロだった。「60点くらいです」と自己評価した右腕は「真っすぐを当てられるので、もっとキレのあるボールを投げたい」と次戦への課題を挙げた。相手がストレート狙いの中「これまであまり使わなかった」というフォークが効果的だった。
先制点をもらいながら同点を許した3回は、ピンチでギアを上げて相手中軸を封じた。一死二、三塁で迎えた3番・佐伯(3年)の打席で、この日の最速をマーク。3、4番を2者連続で空振り三振に斬った。
球数がかさんだ終盤は、輿石監督に「大丈夫です」と続投意思を明確に示してマウンドへ。「初戦なので自分が投げ切らないといけないと思っていた」。自身は4回まで無安打に抑え、チームも5―0とリードしながら12日の試合はノーゲーム。そこから度重なる順延で心身ともに準備が難しい中でマウンドに上がったエースが、きっちり役割を果たした。