長崎県内 初の「緊急安全確保」 6市町で大雨特別警報

裏山の土砂や樹木が流れ込んだ雲仙地獄=14日午後1時22分、雲仙市小浜町

 停滞する前線の影響で長崎県内では14日も大雨が続き、北部と南部では未明と早朝に線状降水帯が確認された。長崎地方気象台は「顕著な大雨情報」を発表。長崎、佐世保(宇久地域除く)、西海(江島・平島除く)、東彼東彼杵、川棚、波佐見の6市町に大雨特別警報を出した。6市町は約33万7千世帯約71万人に、避難情報で最も危険度が高い「緊急安全確保」を発令した。
 同気象台によると、14日は西海市西海で1時間に62.5ミリの非常に激しい雨を観測。11日午前3時の降り始めから14日午後4時までの降水量は長崎市長浦岳878ミリ、雲仙岳877.5ミリ、西海市西海726.5ミリ-など記録的な大雨となっている。
 「緊急安全確保」発令は法改正に伴う5月の避難情報変更後、県内で初めて。「顕著な大雨情報」も6月の運用開始後、県内初の発表となった。
 県は14日、県災害対策本部を設置。県庁で本部会議を開き、状況を確認した。中村法道知事は「最大の危機感をもって今後の推移を見極めていく必要がある」と呼び掛けた。
 雲仙市小浜町雲仙で民家2棟が押し流された土砂崩れ現場では、安否不明2人の捜索活動が続いたが、発見には至らなかった。
 同町雲仙地獄の裏山の土砂崩れは、地獄地帯の北側に位置する八万地獄が被害を受けたことが判明した。
 同気象台によると、15日朝にかけ、大雨が続く恐れがある。同日午後6時までの24時間予想雨量は南部と北部が200ミリ、壱岐・対馬と五島が100ミリ。気象台は土砂災害や浸水、河川の増水や氾濫に最大級の警戒を呼び掛けている。


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