長崎・雲仙 土砂崩れ警戒 住民101人ホテルへ避難 不明の男性見つからず

 雲仙温泉街(長崎県雲仙市小浜町)の山手で見つかった亀裂を巡り、土砂災害の恐れがあるとして地元の46世帯101人が19日、温泉街のホテルに避難した。
 温泉街では「八万地獄地区」「古湯地区」の山中でそれぞれ亀裂が見つかり、市は住民に避難を促してきた。避難の長期化が懸念される中、市は身体的な負担や衛生面を考慮し、避難先を市の多目的施設から近隣のホテルに変更した。
 避難した古湯自治会の加藤宗俊会長(66)は「つらいできごとだったが、私個人としては感動することもあった」と話し、宿泊施設従業員の炊き出しや住民同士の助け合い、市職員の支援などに謝意を示した。また「雨がこんなに降ると誰も考えなかったが、日ごろから警戒していく必要がある」と語った。
 市によると、亀裂付近の地表のずれを感知する機器を県が20日から設置する。
 安否不明の森保啓(やすひろ)さん(67)の捜索は19日も続けられた。森さんのものとみられるレコードが複数枚見つかったが、森さんの発見には至らなかった。市が県を通じて災害派遣要請した陸上自衛隊の任務は、捜索が一定進み、19日終了した。

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