車いすバスケット 川原凜(24) 長崎市出身 成長した姿見せたい

車いすバスケットボール男子の川原凜

 地元開催の2014年全国障害者スポーツ大会(長崎がんばらんば大会)で、県選抜の一員として3位入賞した翌春。川原凜はさらなる活躍の場を求めて、高校卒業と同時に千葉へ出た。「東京パラに出たいから、経験を積みに行きます」。そう地元の仲間たちに宣言した6年後、夢は現実となった。「自分なりに頑張れたのかな」。今、少し誇らしく思う。
 脊髄腫瘍で生まれつき下半身にまひがあり、幼いころから車いす生活を送る。持ち点は障害が重いクラスの1.5点。高いチェアスキルを生かして「ディフェンスが自分の見せ場」と体を張る。ボールカットから速攻を出したり、チャージングを取ったりと、堅守から流れを引き寄せていく。
 17年から日本代表入りして、世界レベルのコンタクトを体感。コロナ禍のチーム練習自粛期間もプラスに捉え、海外勢に当たり負けしないように筋力量や体重アップに努めた。体重は増えすぎても動きにくいため、コロナ期間前から約5キロ増の67キロ程度に調整中だ。
 攻撃面もプレーの引き出しが増えた。持ち点の低い選手は基本的に、周りを生かす役割が中心。川原も17年当初はあまりボールに触らない動きが多かったが、今はパスもさばき、ガードポジションに入る時もある。
 6年前、寂しがりつつも、快く送り出してくれた古里の仲間たち。仲間といってもほぼ先輩で、練習の送り迎えなど何かと気掛けてもらった。初のパラ代表入りを報告すると、みんな心から喜んでくれた。「お世話になった人たちに感謝の気持ちを結果で見せたい」。東京の大舞台で、これまでの成長を披露する。

 【略歴】かわはら・りん 黒崎中から長崎明誠高に進み、長崎サンライズで本格的に競技を始めた。高校卒業と同時に千葉ホークスへ移籍。2017年にU23世界選手権で4位となった後、その夏にアスリート採用でローソンに入社した。17年から日本代表に定着し、18年は世界選手権とアジアパラに出場。長崎市出身。

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