長崎・雲仙土砂崩れ 撤去作業が本格化 「八万地獄」周辺

 土砂崩れが起きた雲仙温泉街(長崎県雲仙市小浜町雲仙)の「八万地獄」周辺で20日、土砂の撤去が本格化し、温泉街の復旧に向けて動きだしている。
 環境省によると、土砂の撤去は16日に着手し、現地調査などを進めてきた。20日は地獄周辺の土砂搬出に取り掛かった。
 温泉街の裏山で見つかった亀裂を巡っては、県が亀裂の変化を観測する機器を「八万地獄地区」に1機、「古湯地区」に4機設置した。別の機器も順次設ける。
 市社会福祉協議会は既に立ち上げた災害ボランティアセンターを21日、温泉街の多目的施設に開設する。NPO法人「有明支縁会」の草野紀視子理事長は被災者のニーズを把握するため現地入りし「必要なことは一人一人違う。しっかりくみ取りたい」と語った。
 内閣府は棚橋泰文防災担当相が21日に同市を視察すると発表した。
 南島原市は13日に南有馬町夏吉地区で発生した地滑り(幅60メートル、長さ125メートル)について、県島原振興局などの調査で安全確認ができたため、2423世帯4870人の避難指示を20日午後5時に全面解除した。

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