【東京パラリンピック】学校連携観戦10万人の裏で学校行事中止に泣く親子「完全に矛盾」

開幕を控える東京パラリンピック(ロイター)

東京パラリンピック開幕を2日後に控え、国際パラリンピック委員会(IPC)の理事会が22日に開かれた。

今回、東京五輪・パラリンピック組織委員会は国内の新型コロナウイルス感染状況、パラリンピックへ向けた対策、学校連携観戦プログラムなどを理事会に報告した。取材に応じた武藤敏郎事務総長は地元の小中学生に観戦機会を与える「学校連携観戦プログラム」について「全体で10万人台の希望をいただいている」と明かした。

学校連携は東京、千葉、埼玉、静岡の1都3県の自治体、学校設置者に希望を募って観戦を実現させるもの。当初は60万人以上の希望があったが、新型コロナウイルス感染拡大でキャンセルが続出した。実施を疑問視する声もあるが、武藤氏は「将来の日本を背負う若者たちに(パラを)経験してもらうことが非常に教育上、有意義だと皆さん(1都3県の知事)は考えた」と学校連携の意義を説明した。

しかし、納得いかない保護者もいる。かねて五輪・パラリンピックの開催へ反発していたが、学校行事が立て続けに中止になる中で学校連携が成立することには懐疑的。SNSでは「修学旅行はダメで学校連携OKって完全に矛盾」「文化祭には教育的価値はないのか」「小学生でも矛盾だって分かるぞ」と怒りの声が上がっている。

人流への影響なども不安視されるが、武藤氏は「児童・生徒の体調管理を学校側でやっていただく。多くの学校が会場付近の駐車場まで貸し切りバスで来場すると聞いている。座席はできるだけ離すなど万全を期したい」と主張している。

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