巨人・中田 広がる「早期復帰」の波紋 300万円寄付も火に油…解決策はあるのか

スタメンに定着しそうな巨人・中田(右)だが…

巨人に日本ハムから電撃加入した中田翔内野手(32)の〝早期復帰騒動〟が波紋を広げている。無期限出場停止処分がトレード移籍とともに解除となったことで、球界内外から大きな批判が巻き起こっている。巨人側としてはルールを逸脱しているわけではないが、逆風は強まるばかり。逆転V3を目指すチームに平穏な日々は訪れるのか…。

24日の広島戦(東京ドーム)は得意の一発攻勢でモノにした。3回に坂本の13号ソロで先制し、同点に追いつかれた直後の4回に大城の自己最多となる10号ソロで勝ち越しに成功。7回には大城に2打席連続となる11号ソロが飛び出し、3―1で引き分けを挟む連敗を2で止めた。原辰徳監督(63)はソロ3発での勝利に「3点だからすべて貴重ですよ。それを(投手陣が)1点で守ってというところで」と笑顔だった。

その一方で、チームを取り巻く風当たりは相変わらず強い。今月4日に日本ハムで同僚選手に暴力行為を働き、出場停止となっていた中田が20日にトレードで電撃加入し、同日付で処分は解除された。翌21日には途中出場で巨人デビューし、初スタメン出場した22日は特大ソロでスタンドをわかせた。しかし、処分が科せられてから9日での復帰劇に、球界内だけでなく芸能界など各方面から疑問や批判の声が相次いでいる。

巨人側としては、処分が解除された中田を選手起用しており、ルール上は何ら抵触していない。だが「制度上は間違っていなくても、相手側も『事を収めたい』と思っていても、道義的や心情的に『復帰が早すぎる』という反発が強いのでは?」と球界関係者。とはいえ、巨人の現場サイドは「戦力」として見込んでおり、この日も中田は「5番・一塁」で先発出場して3打数1安打。よほど打棒が湿らない限り、勝つために起用を続けるだろう。

では、逆風が吹き荒れる中、残りのペナントレースをどう突き進んでいけばいいのか。

「本人も球団も特別なことはせずに、普通にやるべきことをやっていくしかないのでは? 今は寄付という尊い行為も、今年何度か来場されている長嶋さんが激励に来られても『火消し』だとか火に油を注ぐ結果になってしまう。中田選手は黙々と野球に打ち込み、周りは普段通りにするしかない」(前出の関係者)

中田は巨人移籍後に医療従事者へ300万円を寄付し、22日の試合前には長嶋茂雄終身名誉監督から直接ゲキを飛ばされた。チームは首位阪神に2ゲーム差の2位。逆転Vへ、騒動が収まる日は訪れるのか――。

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