エンゼルス・大谷翔平 7月以降はまるで「別の投手」絶好調4つの理由

先発した大谷(ロイター=USA TODAY SPORTS)

エンゼルスの大谷翔平投手(27)は25日(日本時間26日)の敵地ボルティモアでのオリオールズ戦に先発し、今季9勝目を目指す。元祖二刀流のベーブ・ルース生誕の地で白星を手にすれば8月のア・リーグの月間MVPの投手部門での受賞に大きく前進する。投打で受賞すれば史上初だ。

大谷は6月4日(同5日)のマリナーズ戦以降、11試合に登板して7連勝中だ。それ以前は7試合で1勝1敗だった。どこが変わったのか。米大リーグ公式サイトのサラ・ラングス記者が分析した。

ラングス記者によると、7月以降はまるで別の投手のような活躍しているとし、4つの理由を挙げた。「コントロール(四球率)、直球の減少、スライダーの増加、相変わらずいいスプリット」

シーズン前半12試合と、7月以降の6試合では大谷の四球率は13・6%から2・7%に減少。前半では1試合4四球以上が5試合あったのに対し、7月以降は合計で4四球だ。四球数が増えれば球数も増えるため、前半は平均投球回が5回だった。

制球が安定したのは球種の割合を変えたことも影響している。直球の割合は前半53・2%から41・1%に減少。スライダーは19・3%から24・9%に増えた。力で押すのでなく、スライダーで打者の打ち気を外して打ち取っている。

そこに加わるのがスプリットだ。「効果的になっているのがスプリット。スプリットの対戦打率7分5厘は、今季の投手らの中ではどの球種よりも低く、7月以降スプリットを決め球にした21打席では一度も打たれていない」

大谷のスプリットの空振り率は53・7%。メッツのデグロムのスライダー、ホワイトソックスのキンブレルのナックルカーブなど長年メジャーを代表してきた決め球に並び、100スイング以上されている球種ではランキング8位だ。

最後に「次に期待されるのは、サイ・ヤング賞。過去に最も少ない回で受賞したのが、2018年の180回2/3のブレーク・スネル(レイズ=現パドレス)。そこには到達できないが、162回投げてクオリファイド・ピッチャーになる可能性はまだある。そのこと自体が、彼の受賞の可能性を広げている」と締めくくった。今さらだが、投手・大谷も本当に凄い。

© 株式会社東京スポーツ新聞社