「韓国LGのEV電池に製造欠陥」 米GMの報告書で判明 株価12%超下落

韓国現代自動車と米国ゼネラル・モーターズ(GM)の電気自動車火災が、少なくとも2つの韓国LGエナジーソリューション(LGES)のアジア工場と関連があるとロイター通信が27日(現地時間)報道した。

ロイターは、GMと現代自動車が米交通安全当局にそれぞれ提出した書類をもとに、両社が、最新の電気自動車火災事故についてLGエナジーソリューションの韓国、中国の工場で生産されたリチウムイオン電池セルの製造欠陥に由来すると見ていると伝えた。

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報道によると、GMは先週、米道路交通安全局(NHTSA)に、LGとGMの専門家が先月21日、「同じバッテリーセルの二つの珍しい製造欠陥」がシボレーボルトEVのバッテリー火災の原因として確認したと報告した。

両社は、LGの梧倉(オチャン)工場で製造したバッテリーセルから負極タブ破裂や分離膜の折れ曲がりなどの欠陥を発見したと発表した。

GMは最近、アリゾナ州チャンドラーで発生した10例目のボルトEV火災後に、梧倉工場のほか、他のLGの工場で生産されたバッテリーでも欠陥を発見したと付け加えた。

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GMは、LGエナジーソリューションのバッテリーが搭載されたボルトEVの火災の懸念を理由に、二度に渡り、合計14万台以上のリコールを実施した。

現代自動車も韓国、ヨーロッパ、カナダで15件の火災が発生したコナEVについて、やはりLG製電池セルの内部短ショートなどの欠陥が原因だと明らかにした。

LGエナジーソリューションの親会社であるLG化学は、相次ぐ火災とGMのリコール賠償要求に株価が急落している。同社の株価は先週、12.81%下落し、時価総額が8兆1181億ウォン(約7600億円)減った。

GMのリコール措置に対するLGの賠償額は18億ドル(約1920億円)と予想されている。先立って、現代自動車のコナEVリコール措置では8400億ウォン(約793億円)の分担金を払うとされており、現時点でLGは2700億円以上の負担を抱えることになっている。

LGは現在、世界のEVバッテリー市場で、中国CATLに次ぐ2位に付けており、月別ではCATLを凌駕することもあるが、相次ぐ事故で信頼低下の危機に陥っている。

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