ソフトバンクが追いつかれ痛恨ドロー 工藤監督は前向き「負けない形がベスト」

勝てなかったが、負けなかった

またしても逃げ切れなかった。ソフトバンクが28日のオリックス戦(京セラ)に2―2で引き分けた。

1点リードで迎えた9回。工藤監督が選択したのは、継投による逃げ切りだった。相手の先頭打者は左の強打者・吉田正。まず〝1番手〟として嘉弥真を投入した。しかし、四球で出塁を許すと、代わった板東が4番・杉本に中前打でつながれた。

無死一、三塁。絶体絶命のピンチで5番・安達を空振り三振で一死を取ったが、続く代打・ジョーンズに痛打を浴びた。同点に追いつかれる左前適時打。なおも一、二塁からは板東が踏ん張りサヨナラ負けを阻止したが…。チームとして後半戦12試合で4度目となる最終回の救援失敗となった。

守護神・森の離脱後、代役を務めてきた岩崎は右肘の張りにより21日のロッテ戦(ペイペイ)以降、登板から遠ざかっている。そんな中で懸命の逃げ切り策も実らなかった。

工藤監督は「板東も少しプレッシャーのところでというのがあったので、嘉弥真で一人でも打ち取ってラクなところでというのもあった」と説明。

その上で「最終的に負けないということが、これからにつながってくると思う。勝ちたかったが、そうできないゲームもある。そこはしっかり割り切って、また明日しっかり頑張っていきます」と前を向いた。

実際、無死一、三塁で打者・安達の場面では前進守備を敷かなかった。「たとえ同点になっても負けないという形にするのがベストだと思った」。リリーフ陣の苦しい状況の中で踏みとどまった引き分けでもあった。

ちょうど100試合が終了した。現在、首位までゲーム差5の4位。これまで幾度も終盤戦で強さを発揮してきた王者の巻き返しはあるのか。正念場を迎えている。

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