歓楽街 人通り閑散、諦めも 「真綿で首」状況を危惧

 コロナ禍から1年半余り。いつもならにぎわうはずの8月最終週の週末も上越市の歓楽街、仲町は閑散としていた。行き交う人は少なく、店員は時間を持て余した様子で外で会話をしていた。タクシーの運転手も待ちの時間が長い。

 仲町4の洋風居酒屋の店長(49)は「(客入りは)全くです。コロナ感染者がまた増えて、誰も外を歩いていない」とため息をつく。昨年来宴会はずっとないといい、ランチ営業も始めたが、「平日(の来客)は昼夜を合わせて10人ほど」。「出てきた病気はなくなると思えない。しっかりと対策し、料理、サービスを安定供給できる今の状態を続けるしかない」と半ば諦め気味に話す。

 仲町3の居酒屋の店長(50)は「お客さんがゼロの日も多い」と明かす。感染者が多くなった現状を「お客さんは学校の先生や病院の方が多かったから、影響がすぐに出る。オリンピックをやるとなってから、こうなると思っていた。無駄が出ないように今は耐えるしかない」とじっと我慢する。

 仲町3でスナック&バー「マリーナ」を経営し、上越南飲食組合長、上越食品衛生協会高田支部長を務める倉本欣也さん(75)は「昨年よりも悪い。軒並み、存続できるのかという話。店をやっているとお金がかかるからと、閉めている人も。飲食業だけでなく、卸、タクシー、代行など影響の裾野は広い。真綿で首を絞められている状態。店に行かなくてもいいという雰囲気になるのが怖い。繁華街として維持できるか」と今後の状況を危惧し、「手の打ちようがない」状態に苦悩している。

「きょうは1人。一段と暇です」と、スナック&バー「マリーナ」の倉本オーナー(左)。「仲町で48年。こんな状態は初めて」と吐露する(27日午後9時ごろ)

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